小さい頃、お日様が拗ねちゃったから雨になるんだ、と素直に信じていました。真っ赤なキティちゃんの傘、お揃いのレインコートと長靴。まだまん丸な顔だった姫は、さぞかし「てるてるぼうず」に似ていたんだろうなぁ。
そんなこんなで、おちびの頃を思い出しています。信じられないけど、その頃は「人に迷惑をかけない、大人しくて静かな子」でした。2つ上の姉は「大きくなったら、ゾウさんになるの」と言うようなおちゃめなお子様でした。マミー曰く、姉は相当手のかかる子供だったそうで、その下ということもあり、姫は本当に手のかからない子供だったそうです。病気になって40度近い熱が出ても「大丈夫だよ。平気だよ。」と言って大人しく寝ていたそうです。察しがつくかと思いますが、姉はぎゃんぎゃん泣き喚いていました。これは、何となく、記憶にある。。。
そんなこんなで普段から存在感の薄かった子供でした。それでも、不思議と迷子にはなりませんでした。そんな姫が迷子になったのはたった一度。家族で東京タワーに登った時。いつの間にか消えていたそうな。ダディーが散々探しまわって疲れてきた時、エレベータの中にちまっと立っている姫を発見したそうです。泣いているわけでも、楽しんでいるわけでもなく、ただ、ポツンと立っていました。なかなか見つからないわけですよね。周りの方は「隣の人のお子様」と思っていたんでしょう。誰が、こんな子供を迷子だと思う?
始めての通信簿に書かれていた言葉は「大人しく、いい子すぎて、時々存在を忘れてしまいます。」でした。今でも覚えているのは、算数の教科書をランドセルに入っていることを解っていたのに、授業が始まってしまったので取りに行けず、隣の子に見せてと言うことも出来ず、どうしていいか解らずに泣いてしまった事。これが6年になった時には「明るく活発でクラスのリーダー的存在です」と書かれる程に変わっていましたが。
こんな姫に転機が訪れたのは小学2年生の時。バレエを習い始めてから。人前に出ることの楽しさを知ってしまいました。ライトを浴びて、綺麗なお衣装を着て、舞台中を飛び回って、そして終わった後の拍手。全てが大好きでした。お稽古も嫌いじゃなかった。お稽古の日はバレエのピンクのタイツを履いて、頭をひっつめて、どこから見ても「バレエを習っている子」という格好でした。背筋をしゃん!と伸ばして、気持ち上を向いて、少し外股で歩いて。この名残は今でもあります(笑